調剤薬局への転職の志望動機で悩んでいる薬剤師に伝えたい3つのこと

面接

15店舗の調剤薬局を管轄する現役エリアマネージャーが、調剤薬局業界への志望動機の書き方についてまとめました。

調剤薬局業界に入社をして10年になりましたが、10年前と比べると働き方や方向性は大きく変化しています。

志望動機については面接に受かりやすいことだけでなく、今後の働き方について見つめる機会になると考えています。

なぜ調剤薬局を選んだのかを深く考えてみると、入社してからの働き方も変わってくると思います。

 

特に志望動機は、「社会人経験」だけでなく「人間力」などを確認することもできるので、志望動機や今後のキャリアプランは非常に重要になってくると思います。

志望動機についてはアピールポイントにも繋がりますので、熱意が伝わるような内容を考えると良いかと思います。

 

最近では、メーカー・病院・ドラッグストアから調剤薬局へ転職を検討される方が増えています。

コロナの影響もあり、将来の先行きが見えにくいことが転職に繋がっているのだと思います。

しかし、「今働いている仕事からの脱却」や「新しいことへの挑戦」などの想いが強くなりすぎる傾向がありますので、「仕事に対する考え方」についても伝えられるようにしてもらいたいです。

そのためには、過去・現在・未来について広い視野で考えていく必要がありますので、できる限り具体的に考えていく必要があります。

 

調剤薬局は業界的にも変革期に入っているので、薬局がどのような方向に進んでいくのかも知っておく必要があるかと思います。

自分の仕事に対する考え方が固まってくると、どこの会社の方針とマッチしているかがわかりやすくなりますので、丁寧に説明できればと思います。

 

今回は、

志望動機を書く上で重要になってくる3つのポイントをまとめましたので、参考にしてもらえればと思います。

他のサイトでは志望動機の参考例などもありますが、志望動機については一人一人違ってくると思います。

自分の言葉で伝えることが一番大事なことなので、あくまで志望動機を決めるベースとして捉えてもらえればと思います。

 

退職の理由は何?

なぜこの会社を選んだのか?は必ず聞かれる内容かと思いますので、退職の理由をはっきりとさせた方が良いかと思います。

退職理由としては、会社の方向性や上司との人間関係が多いと思いますが、その経験が転職先でどのような活躍ができるのかも重要になります。

前職の批判が強すぎるのは良い印象になることは絶対にないので、伝え方も気をつけた方が良さそうです。

前職の苦しかった経験を、新しい会社でどのように活躍していきたいかを考えながら整理することをお勧めします。

 

あと、調剤薬局の場合は社内異動が多いと思いますので、前職で異動が多い場合は理由を聞かれることがあるかと思います。

採用側は、できるだけ長く働いてもらいたいと思っていますので、社内異動が多すぎるのは違和感を感じることがあります。

過去に異動した店舗の背景についても整理された方がよいです。

 

自分の強みは何か?

同じ医療業界でも、ドラッグストア、病院、メーカーでは仕事内容は変わってきます。

新しいことに挑戦するだけではなく、今まで学んできたことで自分の「強み」になる部分は何かを整理することをおすすめします。



例えば、

前職がドラッグストアの場合は、OTC 販売の知識は調剤薬局でも活躍できる環境があります。

調剤薬局だけで働いていると、物販の知識や経験がほとんどないので、専門力が発揮しやすいです。

コロナの影響もあり、患者さんが薬局に来にくい背景から、セルフメディケーションは今まで以上に推進されてくると思います。

 

経済財政運営と改革の基本方針2020では、

「新たな日常」に対応した
予防・健康づくり、重症化予防の推進
・熱中症対策に取り組むとともに予防・重症化予防を多職種連携により推進。
・健診内容の見直し・簡素化等を前倒し、オンラインでの健康相談の活用を推進。

との記載もありますので、「予防・健康づくり」は重要なテーマになりそうです。

調剤薬局では、待合室が狭いのとOTC販売へのノウハウが少ないので、接客や販売力が強みの方は希少価値が高くなると思います。

「健康サポート薬局」を推進している会社であれば、活躍できる環境は多いかもしれません。

 

前職がメーカーの場合は、営業力が強みになってきます。

私も含めてプレゼン力が弱い方が多く学ぶ環境も少ないので、「営業力」を調剤薬局で活かせる機会は増えそうです。

特に在宅での往診同行や施設長・看護師との連携は、将来的に非常に重要なテーマになってきます。

薬剤師は対物→対人業務へとシフトしていきますが、対人業務は患者さんに対してだけではなく、地域の多職種の方とのコミュニケーション力も大事になってきます。

これからの調剤薬局の薬剤師は、対応力や交渉力が重要になるので、「営業力」や「コミュニケーション力」はアピールしやすい内容になります。

 

販売や営業力だけではなく、「教育」についても重要なテーマになると思います。

「創造力のある人材の育成」は、薬局業界にとっても大事になってきます。

今までに後輩に指導をしてきた内容などで、成功した体験などを思い返してみると自分の強みが見えてくるのかなと思います。

 

まずは自己分析をしてみて、自分の強みは何かを考えて、その強みが調剤薬局業界でどのように活かされるかを考えていくと良いかと思います。

 

あなたの強みは何ですか?

急に聞かれると戸惑いやすいと思うので、整理をしといた方がよさそうです。

まずは自己分析をして、自分の強みと弱みを考えてみましょう。

 

転職をする理由が明確か?

私は面接官として多くの薬剤師の方と面接をしてきましたが、特に転職理由が曖昧な方が非常に多いです。

「調剤業務を学びたい」、「在宅を勉強したい」、「調剤薬局は患者さんとの距離が一番近いから」などのような内容が多いですが、「学んでからどうするのか?」という部分がはっきりと定まっていないのは問題かと思います。

はっきりと定まっていない理由としては、今の会社を辞めたいという気持ちが強すぎて、将来のことをしっかりと考えていない傾向があるのかなと思います。

転職を決める前に、今の仕事環境の現状を改善できる方法がないかを再度考えてみるのも必要なのかなと思います。

私も転職をしたいと思ったことは何回もありましたが、気持ちが落ち込んでいる時はあまり考えすぎないようにしてきました。

頑張りすぎると思考も停止してしまうと思いますので、本当に転職をするのが最善策なのかを健康な気持ちの状態で判断する必要はあると思います。

本当に転職をしたいのか、とりあえず転職をしたのかは、会話をしているだけでもわかりやすいので、転職をするという決意を持つことは大事です。

 

決意が固まれば、できるだけ具体的に伝えていくことが必要です。

例えば在宅の場合は、「地域連携薬局や健康サポート薬局などの多職種と連携する機会が増えてくるので、在宅業務を勉強したい」、「人と接するのが好きなので患者さんだけでなく多職種の方とも連携をしていきたい」のように、勉強をしたい理由を長期的な視点で考える必要はありそうです。

あなたが何をしたいかだけではなく、国が向かうべき方向性も理解しておくことも重要です。

 

あなたが調剤薬局に転職をして何をしたいのか?+10年後の調剤薬局はどのような方向性に向かうのか?を考えると、具体的な理由が書きやすくなると思います。

一番大事なことは現在よりも未来になりますので、どのようなキャリアビジョンを持てるかが、今後の働き方にも影響してくると思います。

 

調剤薬局の方向性が理解できてくれば、あとは会社の「経営理念」があなたの考え方と共感ができるかを確認していく必要があります。

面接時も会社の経営理念を含めて回答をしていけると、アピールに繋がってくると思います。

理念に共感するだけの回答ではなく、具体的に理念のどこの内容に対して自分は関わっていきたいかを伝えられると良いです。

自分の方向性+会社の経営理念が合っているのかも必ず確認をしてもらえればと思います。

 

 

まとめ

今回は3つのポイントにしてまとめてみましたが、簡潔に説明すると、

①退職する理由を明確にする。

②自分の強みを理解する。

③調剤薬局に転職をする理由を明確にする。

①(過去)→②(現在)→③(未来)の流れで整理していくと、わかりやすくまとめられると思います。

一番大事なことは「過去」よりも「未来」になりますので、ポジティブな思考力を意識して考えていけると良いかなと思います。

過去の経験をどう活かしていくのかは時間をかけて考えていく必要がありますので、転職する会社を選ぶ前に整理しておくことをお勧めします。

 

調剤薬局での転職で一番重視する部分は、会社の経営理念になると思います。

会社方針や経営計画については経営理念をベースに考えていきますので、同じ調剤薬局業界でも理念に差は出ていると思います。

昔の調剤薬局の薬剤師は、薬を早く正確に渡すことが大事でしたが、今後は患者さんの病気の維持や改善にも貢献していくと思います。

今まで以上に薬剤師としての質を求められるので、考え方は変えていく必要があります。

 

調剤薬局は医薬分業もあり大きく成長をしてきましたが、これからは立地ではなく機能性で評価をされる時代になります。

クリニックから薬局が一番近いから利用している患者さんがほとんどだと思いますので、いかに「かかりつけ薬局」として利用してもらうかが重要になってきます。

 

患者満足度やサービスの品質が、他の薬局よりも高い状態にする。

どこの薬局を利用しても薬に対しての品質に差はないので、薬局として生き残っていくには薬剤師の質の部分が大事になります。

 

あなた自身の能力が調剤薬局の価値を高めていくことができますので、ただ転職をするだけではなく薬局業界でどのような働き方ができるかを考えてもらえると嬉しいです。