調剤薬局は大手から中小企業まで幅広くあり、地域的には薬剤師が不足することもありますので、ブラックな体質の薬局は少なからずあると思います。
大手か中小企業を選ぶかによっても、調剤薬局の特徴は大きく変わります。
それぞれにメリット・デメリットはあると思いますので、あなた自身が会社に何を求めているかによって、選び方は変わってくると思います。
私も転職を二度経験しているのと、他社から転職してきた薬剤師の方の話しを良く聞くので、問題のある会社は大手・中小関係なくどこも似たような内容になっていることに気づきました。
転職活動をしている時にブラック体質を見分けるのって難しいと思いますが、ポイントを押さえておくとリスクはかなり少なくなるかと思います。
今回は転職活動をする時に失敗しないように、見分けられる方法を7つまとめてみました。
確実に押さえてほしい内容のみにまとめていますので、参考にしてもらえればと思います。
注意点としては、調剤薬局で一番トラブルになりやすいのは、スタッフ間の人間関係の問題だと思います。
たとえ良い会社に転職したとしても、直属の上司や部下との関係性は重要になってくると思います。
なので、転職をするときは配属先店舗の見学をすることをお勧めします!!
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調剤薬局のブラック企業共通の7つの特徴
そもそもブラック企業の定義って何?という疑問が出てきたので、Wikipediaで調べてみました。
ブラック企業またはブラック会社とは違法行為、不法行為、脱法行為などにより従業員に無給の残業・朝残業などの不当な労働を強制したりパワハラなど人権を踏みにじる行為を日常的に行っている企業もしくはそのような行為を行ってる社員を放置、黙認している企業のことである。「従業員の人権を踏みにじるような全ての行為を認識しつつも適切な対応をせずに放置している企業」との指摘もある。対義語はホワイト企業。
簡単に説明すると、
不当な労働の強制や人権侵害などのハラスメント行為が該当してくると思います。
調剤薬局業界でも気を付けていかなくてはいけない内容になりますので、入社をする前にいかに見分ける能力を身に着けておく必要はありそうです。
今回は、調剤薬局のブラック企業に共通する7つの特徴としてまとめています。
①計画が抽象的な内容が多く、精神論になりやすい。
②加算活動にノルマがある。
③スタッフの異動が多い。
④長時間労働・残業が多い。
⑤離職率が多い。若手スタッフが多い。
⑥トップダウンになっているか。
⑦給与が水準よりも高すぎる。
①~⑦の項目について、詳しく解説していきます。
①計画が抽象的な内容が多く、精神論になりやすい。
会社の方針については具体的な内容を説明されるかと思いますが、会社の課題や問題点については抽象的な内容になりやすい傾向があります。
残業手当だけではなく、会社としての残業時間削減の取り組み方法を面接官に質問してみても良いかと思います。
調剤薬局の場合は、基本は9:00~19:00まで営業している店舗も多く、拘束時間は長くなりやすい傾向があります。
労働生産性の改善として企業ごとに対策をされていると思いますので、ブラック企業を見分けるポイントにはなりそうです。
あとは、ハラスメントが発生した時の第三者機関などの相談窓口があると安心かもしれません。
ハラスメント対策がきちんとできていない中小企業もあるかと思いますので、確認する必要はあると思います。
②加算活動にノルマがある。
調剤報酬の加算については、薬剤師が取り組んだ内容に対しての評価なので、加算については積極的に取得していくべきだと思っています。
特に、「後発医薬品調剤体制加算」や「地域支援体制加算」は、店舗全体の目標になってくると思うので、加算活動の推進は必要なことです。
しかし、「かかりつけ薬剤師」の加算活動については、無理のあるノルマを設定されている話しを聞くことがあります。
「かかりつけ薬剤師」は今後も重要なキーワードになると思いますが、無理な算定を強要される会社は注意が必要かと思います。
算定数だけの目標ではなく、質を高める為に会社として何を取り組んでいるのかが重要だと思います。
③スタッフの異動が多い。
特に大手の調剤薬局だと異動が多くなると思います。
私も採用時に職務経歴書を見ることがありますが、3ヵ月単位くらいで異動をしている会社も多くあります。
大手の場合は退職などの人員調整が必要になってくるので、異動は必要なことだと思います。
1年以上同じ店舗で働けていない方も見たことがありますので、会社としてどのような働き方を求めているのかは、入社前に確認した方が良いです。
家から近い場所での勤務を優先事項にされている場合は、中小企業の薬局も視野に入れる必要はあるかと思います。
私は調剤薬局に入社して2年間くらいは、10店舗くらいの薬局で勤務をしてきました。
特に調剤経験が少ない方は、最初の頃に多くの店舗で調剤・投薬をした方が、知識として習得しやすいと思います。
同じ店舗だけにいると、処方に対してのクセや偏りが出てしまいますので、早い段階で異動や他店舗の支援をした方が良いかなと思います。
多くの薬剤師の働き方や考え方を学ぶことも勉強になりますので、自分の成長として異動を前向きに検討できると働き方も変わってくると思います。
④長時間労働・残業が多い。
調剤薬局は営業時間が長いので長時間労働になりやすい環境です。
特に地域支援体制加算の店舗は昼休みの時間帯も開局をする必要がありますので、シフト体制が整っていないと休みが取りにくくなります。
長時間労働は、薬局で働く場合はデメリットが大きいです。
長時間労働は調剤過誤にも繋がりやすく、労働生産性や意欲の低下もしやすいです。
薬局業界全体としても、「新しい働き方改革」が必要に思います。
残業に関しては、会社だけの問題ではなく管理者の考え方にも差が出やすいと思います。
同じ会社でも残業のある店舗とない店舗がありますので、仕事の効率化にも問題がありそうです。
残業を減らすには、調剤ロボなどのICT化が必要不可欠になってきます。
会社の経営計画でICT化の優先順位がどれくらいなのかを確認すると良いかと思います。
会社としての調剤補助業務の進捗状況も大事です。
店舗見学をした時に、非薬剤師のスタッフが調剤補助業務をどのくらい実施しているかで、薬剤師の働き方は大きく変わってきます。
⑤離職率が多い。若手スタッフが多い。
離職率が多いと社員の平均年齢が低くなる傾向があります。
ベテラン薬剤師がどのくらいの割合で配属されているのかが、ベースになってくると思います。
離職率が多い場合は、教育制度にも問題がある可能性があります。
中途採用の場合の教育制度についても確認した方が良いです。
たとえば40~50代向けの研修があるか、キャリアアップができる教育体制が整っているかなどは、会社によって差が出やすい内容だと思います。
あとは、調剤薬局は女性薬剤師が多いので結婚や出産などでも離職に繋がることがあります。
女性薬剤師が仕事と家庭を両立できるような環境整備を会社がしていると、人員不足にはなりにくくなると思います。
⑥トップダウンになっている。
会社方針がどのように決められているのかだけで、だいたいわかってくると思います。
トップダウンはすべてが悪いわけではなく、状況によっては必要な時もあると思います。
会社決定した方針を、管理者がどのように共有をして浸透させるかが重要なので、会社と店舗の心理的な距離感が近いと働きやすくなります。
中小企業の薬局は、経営者の権限が直接現場に反映されやすいので、トップダウンになりやすい傾向があります。
大手企業の薬局も、管理者の権限が少なく決められた方針のみを実行する傾向がありますので、トップダウンの項目に関しては大手も中小も変わりないと思います。
会社の規模は気にしないで会社ごとに確認をしていく必要はありそうです。
⑦給与が水準よりも高すぎる。
一般的に給与が低いのはブラック企業の特徴かもしれませんが、薬局業界の場合は、給与が高すぎる方が危険に思います。
他社よりも給与を高くして入社をしてもらう戦略の企業もあるかと思いますので、給与だけで決めるのは危ないと思います。
給与が高い=人材が集まりにくい傾向もありますので、一人当たりの業務負担が大きくなることも考えられます。
たとえば、他社よりも年収が20万円高かったとしても、月の手取りで考えればほとんど大差はないです。
大事なことは、「給与」よりも「やりがい」だと思うので、給与だけで考えない方が長期的には働きやすくなると思います。
ドラッグストアから調剤薬局への転職の場合は、給料は下がりやすいと思います。
今の生活を維持する為には給与が非常に重要だと思いますので、最低基準の給与以上であれば、「やりがい」を重視して選考された方が良いです。
評価に対してどのように給与に反映されているのかも大事になってきます。
転職で失敗しない為にどうするか。
調剤薬局のブラック企業共通の7つの特徴については、説明させていただきました。
①計画が抽象的な内容が多く、精神論になりやすい。
②加算活動にノルマがある。
③スタッフの異動が多い。
④長時間労働・残業が多い。
⑤離職率が多い。若手スタッフが多い。
⑥トップダウンになっているか。
⑦給与が水準よりも高すぎる。
では、転職で失敗をしないようにする為には、どうすればよいのかを説明したいと思います。
ブラック企業の定義についてWikipediaで調べましたが、ブラック企業の対義語はホワイト企業との記載もありました。
なので、ブラック企業共通の7つの特徴と真逆の会社を選ぶとわかりやすいと思います。
調剤薬局のホワイト企業共通の7つの特徴
①経営理念に沿った計画が実行されていて、具体的な解決策が決まっている。
②個人の加算算定についてのノルマではなく、店舗全体で取り組める対応策ができている。
③店舗間での支援体制やラウンダー専門の薬剤師がいる。
④残業手当が正当に支給されている。労働時間削減に対しての具体的施策がある。
⑤ベテラン薬剤師や女性薬剤師が働きやすい職場環境になっている。
⑥店舗管理者の研修や会議が充実している。
⑦給与が年齢や経験に見合った水準になっている。
ブラック企業の特徴と逆の内容でまとめてみると、わかりやすくなったかと思います。
一人一人が会社に対して求めている内容によっても変わってきますので、7つの特徴の中から絶対に譲れない項目を考えて転職活動をされると良いのかなと思います。